あやの、
母さんは、頑張ってやってるつもりだけど、
今日は何もかも嫌になってきたよ。

周りは普通のことや、常識を求めてくる・・
そのたびにため息だよ。
私の中では、もうどうでもいいこと、、
そんなことを思っていると、
今度は、母さんが本当に駄目になりそうだよ・・
どうすればいいのかね、、

久し振り。。あやちゃん。

毎日寒くて、そのせいかすぐに首が痛くなる。
いやだな。

弘一の卒業はまだ少し先だけど、
もうすぐしたら、また帰ってくるよ。
その日は、偶然か、、
4年前の高校の卒業式と同じ日にちになるよ・・
下宿先も　もう殆ど何もない状態、秒読みだ。。

でも、、
帰ってくる先にもう父さんがいないなんて、、
あんまりだね。。

高校の卒業式にも、あやのがいなくなって、、
弘一　一人の卒業式になったよね、

あやの、、
弘一を守ってよね。
力をかしてあげてよね。

そして、私達を守ってよね。

そしていつか、、家族が増える日を作れるように・・
一緒に願ってよね。

新しい始まりを作れるように。。

弘一がいいと思うところに　通りますように・・！！

あやちゃん、ひさしぶり。

この間の14日にスキマスイッチ観にいっただよ。
信じられないな、まさか、スキマスイッチに行くなんて・・

あやのも一緒に見ていたら、、絶対に感動して帰ってきてたろうな。
一緒に盛り上がって、　そしてほのぼのして・・
大橋君いい～～　なんて言ってたかな。
あの2人のゆるいトークもなかなか良かったし。

記憶を辿ってみると、、
2006年に　高校野球のテーマ曲になったもの、
ボクノートもそう、、
あと「ラフ」だったっけ、映画の中でも流れていたんだね、
そして、なんといっても「奏」だよね。

でもその時は　なんとなく耳に入ってきてたけど、
ほんと、なんとなくだった・・
それでも、頭の片隅に記憶として残っている。

「奏」のピアノの部分を弾いていたよね、、
ひけた～～　聞いてくれた～～　！？
って　言ってたあやの・・

でも、その時はそれがなんの曲なのか全然知らずにいた。
そう、、　あやのが元気な時に、この曲の話をすることはなかったんだ。
入院して、、
弘一が、あやのの好きなCDを作ってくれた中に、、
このピアノで始まる曲を初めて聞いて・・
ああ、、　このことだったのか・・って初めて知った。
悔しいな。

それから　何度も聞いて・・
思いが深い曲の一つとなった。。
この曲もいつか聴きたい曲だなあ・・
今回は聞けなかったけど、、

あやのが弾いていた　あのピアノの音、
思い出すんだ。
もう弾くことはないけれど、
出来るなら、もう一度　聞きたいな。


このライブは　文乃と弘一が連れてきてくれた・・と思ってる。
本当は　一緒に行きたかったな・・！

また行けるかな・・？

あやの、、
もう１２月も半ばを過ぎた。

今年も残すとこあと少し、、
事故のことを考えれば、もう６年目を迎えてる。
でも、　まだあやのはこの時期生きていた。

最近、朝が暗くて、見上げるとまだ月が光ってるし、星も見える。
見上げながら、
あの頃を思うよ。
あやのが病院にいて、、
弘一は、　この子供部屋で過ごしていた。

いつまでも　高校一年生・・

時間は経ち、そんなことが遠のいていく、
それが嫌だから、
こうやってちゃんと思い描いていたい、
なんか　変だけど、、
忘れたくない、　忘れちゃいけないって思う。

でも、、
これから弘一は就活なんだ。
時間が経ってること感じるね。

大丈夫かな・・
大学受験の時だって心配だらけだったけど、
なんとか、あやの、、
見守ってやってよ・・！！
頼むよ。

一緒に心配してやってよね。

あやちゃん、
もう１０月も終わりだ。
また　一年がやってくる・・
今年で５年になるんだね。

例えば、、
事故から一年を迎えようとする、今ぐらいに抱えていた、
胸が締め付けられるような、なんともいえない苦しい痛みが、
今はない・・
それは消えてしまった、、
それが　５年経ったってこと・・？

その代わり　また違った思いや感情が現われてくる。
もう言い表わすのはやめにする、、
感じていることは　あやのにはわかっているよね、、
感じてることは　自分の胸の中だけで噛み締めるよ。。

ただ、、
静かに　あやのを思う・・
それだけでいい。

あやの、もうすぐ誕生日だね。。

今日、この田舎道を歩く中学生ぐらいの私服のカップルを見たよ。
こんなとこに、こんな年代の子いたかな、、？？
なんて思った。

ただ歩いていただけかもしれない、、

あやのも　こんな時があったね。
こんな風に歩いていたのかな、、
近所のおばちゃんに
「お帰り、仲いいね、」なんて言われたって話してくれたこともあったなあ・・
なんて思い出した。

中学生は中学生の、
小学生には　小学生のあやのを重ねてしまう。
いずれ、そんな子もあやのの年を追い越してしまうか・・

そんな思いが年々大きくなっていくよ。


そうだ・・
もうすぐ誕生日だね。
ああ、もう２１歳か・・
見たかったな・・！！

あやのの命が消えてしまった、
もう生きていない、ってことが
やっぱりおかしい・・

時々、　ひょっとして今、横に座ってくれてるのかも・・
って思うんだ。
そう思うと、少しほっとするけど、
それと一緒に悲しくもなるなあ・・
あやのの姿は１６歳しか思い出されないから、
それも辛い。
２０歳の姿、言葉を聞きたいって思う。

ああ、言ってもどうしようもないけど・・

今までにない誕生日プレゼント・・
一緒に過ごそう・・

昼頃から雪が降り出してきたよ。

やむ様子もなく、降り続いて、、
積もってきている。

ん、、
この雪はあの時と同じ感じだな。。って思えてきた。

葬儀の翌日、降り続いたすごい雪と、、

しんしんと降る景色をみながら　

ふっとあの頃に戻っていくような感覚になった。
あの頃の感情が、、

静かに過ごしたあの日を。。

いつも間にか、新しい年も明けた。
２０１１年・・

１月３日・・
命日、、４年だね。
随分と経ってしまったね・・

そして、　今年は成人式を迎えたね。
弘一は　ちゃんと出席したよ。
あやのは　雪を降らせてくれたのかな・・？
ああ、　みんなで一緒に京都に行って、美味しいものも食べたよ。
果たして、あやのの口にあったかな・・・？？
だけど、これも思い出となる・・

成人式の後は　中学の同窓会もあったらしい。
女の子はみんな奇麗に着飾って、
久し振りの話に花が咲く・・
写真も一杯撮って・・
そんな感じかな。

ごめんよ・・
そこにあやのはいない・・
まるで　忘れてるかのように・・
生きてる人だけの集まりだった。。
そう　感じてしまったよ。
あやのに声をかけてくれた同級生はいたのだろうか、、

だけど、
もうそんなことはおいておこう・・

母さんも　あやのの振袖姿を見たかった。
その願いは叶わないと、とっくに諦めていた。
でも、、
ほんの少しだけだけど、、
その願いが形になりそう・・

形になるってすばらしい、
形が見えるって嬉しいよ。

目に見えないものの大切さも　勿論分かる・・
わかるからこそ・・
形になることが、目に見えることが、
こんなに嬉しい。

それを　わかってくれるかな・・

今となっては、、

写真って　命があるよね、、
こんなに、　力がある、、

わかってくれるよね・・

わかってほしい。

クリスマスだね。。

昨日のイブでは　クリスマスプレゼントが届いたようだった。。
もうすっかり諦めていたことが、、
夢の中で　実現しそうで、、
すごいなあ・・　本当！？って　ただただそう感じてしまって、、
その後は、　涙だよ。

あ、　あやのへのプレゼント　喜んでくれたかな・・？
思わずかわいいって思ったから、、
そんな方がいいよね。

そして、今日は　ふわふわの雪を降らせてくれたよね。
雪は　あやのだって思える。
空からの　贈り物、、
優しい、純粋な贈り物。。